私がいつも使っている「ISS Transit Finder」は中国の宇宙ステーション「天宮」やハッブル宇宙望遠鏡の太陽面・月面通過の予報は出ますが、惑星面通過の予報は出ません。
惑星面通過はアンドロイドの「ISS通過予測」というアプリで確認していました。
数年前までは「Calsky」という優秀なサイトがあり、それはいろいろな衛星の太陽面・月面・惑星面通過を表示してくれていましたが、残念ながら運営の問題で閉鎖されてしまいました。
そこへ最近、倉敷科学センターの学芸員三島さんが新しい予報サイト「人工衛星をみよう」を作ってくださいました。
前回の太陽面通過では観測場所の標高も加味され、非常に正確なことがわかりました。

そして今回は金星面通過の予報がありました。
アンドロイドの「ISS通過予測」では昼間の惑星面通過は表示されません(私が設定を知らないだけかもしれません)。

左上のオレンジ色の太いラインは太陽面通過のライン、右下の青い太いラインは月面通過のライン、その間の細い線が金星面通過になる場所を示すラインです。その幅は約50mです。
この幅が50mのライン上で金星を見ていればその前をISSが通過するはずです。 今までの予報ではISS1つか2つ分くらいは簡単にズレてしまっていました。 それも考えに入れて観測場所を探していました。おそらくは標高に寄るズレがあったと思われます。
今回このわずか50mのラインを見ていき、公園のような場所を衛星写真とストリートビューで見て候補地を探します。
第1候補地

第2候補地(予備)

第3候補地(予備)

第2・第3候補地は公園で南から西の空の見晴らしも良いのですが、駐車場がなく路上駐車をして公園内に機材を運ばなければいけないので、できれば避けたいところです。
第1候補地は衛星写真で見ると車が駐車しているところがあります。

ここをストリートビューで見ると良さそうです。

西側が陸上自衛隊春日井駐屯地で電線が多いのが気になりますが、まあ大丈夫でしょう。
しかしここでは青で囲ったあたりなので、ラインからわずかに外れてきます。できれば赤丸あたりへ機材を持って行きたい!

その赤丸部分はストリートビューで見るとこんな感じになっていて、うまくいけば車を停めてその後ろに機材を展開できるかもしれません。 そうすれば中心線により近くなり金星のド真ん中を通過するかもしれません。

場所は決まったので、15時すぎに出発し、16時の現地到着を目指します。
ただし天気は晴れてくるのか疑わしい! いや9割5分は無理な気がする~。

わずかな望みをウェザーニュースに託す! 頼む!17時の晴れマーク!!

機材は赤道儀2台、鏡筒はミューロンと小さなボーグ2本の計3本でなるべくコンパクトに。

予定通り16時過ぎに現地に到着。

監視カメラもいくつかあって、なんだか物々しい! ゴソゴソしてると怪しまれるかな?
一応トラブル回避のため星空案内人の名札も下げておこうか。

通行人の邪魔にならないよう、ここに機材を展開しよう!

機材をセットすると太陽が薄雲越しに見えてきた! 「持ってるなぁ~おれさま」
まずはミューロン180を載せたスカイセンサー2000PC制御のGPDを起動して太陽で1点アライメント。そのまま金星を導入すると、ファインダーの視野の中にいた! しかしすぐに雲に隠れてなかなか見えてこない。
BORG71FLと45EDを載せたマークXも太陽を導入し、黒点でピントを合わせ同期し、金星を自動導入。ところが赤道儀が動き出さない! 太陽の追尾はしているがなぜか自動導入が動かない。ファインダーももってきてないし、薄曇りの中で金星を探すのはかなり難儀しそう。
まずはミューロンを確実に稼働できるようにしよう。

これ!今回の新兵器!! Amazonでオススメされてついつい! 手作り感満載で足が長いのと短いのの2つがスチール缶に入っていて600円ほどだったかな。 こういうの結構好きです。
マークXはやはりだめだ~金星が見つけられない。広角と眼視は諦めてミューロンの拡大のみ!
ミューロンにはZWO ASI290MMを取り付け、PCの画面には金星がはっきり見えてきた。しかし金星の前を雲が流れていくのも良く見えている。
時計を見ると18時15分、iPhoneで時報を鳴らす。
時報を聞きながら、画面を注視する。 PCに貼ったメモを確認、18時17分57秒。
時報が「18時17分50秒をお知らせいたします、プ、プ、プーン」さあ~来るぞ!!
1・2・3・4・5・6・7・あれ?8・通った~!
1秒遅れた気がするが、金星の真上を通過していった!
こちらが実際の動画です。
見えなかった人のために~写っていたコマを並べますね。





そして、この5枚を0.5秒間隔でGIFアニメーションにしてみました。

比較明合成するとこんなISSの通ったコースがしっかりわかります。

今までに何回も惑星面通過を見てきましたが、これほどきれいに惑星の上を通過したのは久しぶりです。 この予報サイトがいかに正確かがわかる金星面通過でした。



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